~おとしものがたり~

私の「おとしもの箱…」

「ひとりの家路」

街は暗くなり
気だるさにさいなまれるなかで

大切なものは目に見えない

目に見えるもので
確かなものはあまりない

月明かりはそれを知っている
風景に溶け込むように優しく私を照らし
目を閉じて夜道を歩く

耳を澄まして
靴音に紛れる鼓動が生きている証

ゆらゆらと漂う家路
ボ~ン パン
季節はずれの花火の音がする