~おとしものがたり~

私の「おとしもの箱…」

《 揺れながら 》

どれだけの人の優しさを
この地球(ほし)の優しさを

 

私は感じ取り
生きてゆけるだろう 

 

残酷でもあり
儚くもあり

 

時に優しく美しくもある
この世界にありながら


どれだけの美しき世界を
私は描き続けられるだろう

 

心はいつも
心もとなく


揺れながら
揺れながら

 

 

 

 

 

《 灯台 》

さよならと言った言葉の宛先は
いつかのわたしで

もう2度と会わないだろう
なんていう思いは

断崖にそびえ立つ灯台のようで

今もわたしに息づくことを
忘れてしまう

海上に浮かぶ
黒船ばかりを照らし出し
波止場へと導いてゆく

 

 

 

 

「君想う流星のナミダ」

秋過ぎて 少し明るい
満月の冬

 

君は吐息のように
悴む手を そっとあたため
白く儚く 夜空に溶けていった

 

満月と
いつもより儚く光る星を見上げた
僕の頬に 一筋の煌めく流れ星

 

 

 

《 むすんで ひらいて 》

むすんで ひらいて
手を合わせ
目を閉じて
 

むすんで ひらいて
絡まりあって
ほどけて
 

むすんで ひらいて
握りしめて
抱きしめて

むすんで ひらいて
1つになって
とけあって

むすんで ひらいて
ありがとうと
さよならを

むすんで ひらいて
繰り返して
生きてゆく